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ペール・ギュント

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演出:宮城聰
原作:ヘンリック・イプセン
翻訳:毛利三彌
音楽:棚川寛子
出演:武石守正、池田真紀子、石井萠水、大内智美、大内米治、奥野晃士、加藤幸夫、木内琴子、貴島豪、榊原有美、佐藤ゆず、たきいみき、舘野百代、永井健二、布施安寿香、本多麻紀、牧野隆二、吉見亮、若宮羊市、渡辺敬彦
6月5日(土)16時30分開演
静岡芸術劇場
上演時間160分(途中休憩あり) 日本語上演・英語字幕
★静岡県内の中学生は、30名までご招待あり

作品について

大馬鹿者のペール・ギュントが世界をめぐる一代記!
生演奏をふんだんにちりばめた、
ミュージカルじゃないけど音楽劇!

今年3月に初演を迎え、大好評のうちに幕を閉じた『ペール・ギュント』。ご声援に応え、はやくも一夜限りの再演です!総勢20名の俳優が生演奏でおくるこの音楽劇は、圧倒的な迫力で観客の度肝を抜きました。多種多様な楽器を使って劇中に演奏される楽曲は、この作品のためにつくられたオリジナルのものばかり。宮城聰監修のもと、俳優たちと一緒に音楽家の棚川寛子が試行錯誤を重ねてつくりあげていきました。SPACでもこれまでにない規模の音楽劇となり、その祝祭的な雰囲気に絶大な支持が集まりました。
満を持しておとどけする『ペール・ギュント』のタイトルロールを演じるのは武石守正。宮城聰演出『ハムレット』のハムレット役も記憶に新しい武石が、ごうほうらいらく豪放磊落で村の笑い者のペール・ギュントを痛快かつ繊細に演じきります。

あらすじ

母親オーセとふたりで暮らすペール・ギュントは村の笑い者。「皇帝になる」と言ってはばからないほど、嘘つきで、夢想家で、お酒を飲めば大暴れする乱暴者。地主の娘イングリの結婚式で運命の娘ソールヴェイに出会う。が、ソールヴェイに踊りの誘いを断られると、イングリをさらって逃走する。イングリをすぐに捨ててしまうペールは、トロルの国で、トロルの王の娘と結婚しようとするが、トロルになりきれずに逃げ出してしまう。村から追放されたペール・ギュントは、森のなかで暮らしている。そこへソールヴェイがやって来る。ペールとともに暮らすためにすべてを捨ててやって来たのだった。二人は幸せに暮らすかに思われたが、ペールのもとに老いたトロルの娘が訪ねてきて…

コラム
ソールヴェイを歌って
横山靖代

先日、『ペール・ギュント』の公演の前、ロビーで演奏させていただく機会を得た。「ソルヴェイグの歌」と「ソルヴェイグの子守唄」の2曲で、いずれも、グリーク作曲の劇音楽では、ペールの旅を巡る重要な場面で演奏される。
開演前のとてもワクワクした時間に、静岡芸術劇場の素晴らしい空間を自らの音で満たすことを心がけた。
公演4日目、演奏後に『ペール・ギュント』を観ることができた。
劇場の空間を効果的に使った立体的な舞台、会場を埋め尽くす音楽とリズムに圧倒された。また、その音やダイスの穴を巧みに使った場面の切り替え等、計算された空間のコントロールが素晴らしかった。
演出ノートで宮城聰氏は〈『ペール・ギュント』は「アイデンティティ」についての話です。〉と記している。観客は、自分自身の感性で、ペールの旅にさまざまなアイデンティティを感じるのだろう。
私は、母オーセと、待ち続けるソールヴェイの存在がペールの自己形成に不可欠であることを改めて感じた。また、ダイスやタクトを振るキャストが音とエネルギーを操り、空間を支配しているように感じられたことも興味深かった。
最終日、演奏を聴いていたご婦人が「声を聞いた瞬間に涙があふれてきました、この美しい曲は何ですか」と声をかけてくれた。「ペールの帰りを待ち続けるソルヴェイグの歌です」と答えた。
その方は、『ペール・ギュント』を観た後、ソールヴェイの存在をどう感じたのだろうか。

横山靖代(よこやま・やすよ)

ソプラノ歌手、常葉学園短期大学音楽科非常勤講師、二期会会員。これまでに数多くのリサイタルを開催するほか、コンサート・ソリストとしても多数のオーケストラと共演。2009年7月には静岡音楽館AOIにて、オペラ『椿姫』『リゴレット』ハイライト集によるジョイントリサイタルを開催し好評を得る。

←左のアイコンをクリックすると、SPAC発行のパンフレット「劇場文化」掲載のエッセイをお読みいただけます。

ペール・ギュントはエヴリマンか
毛利三彌

「ペール・ギュント」、戯曲と音楽のあいだ。
小林旬

〈自分自身であること〉への旅
――イプセン『ペール・ギュント』をめぐって
木村直恵

宮城聰(みやぎさとし)

演出家、静岡県舞台芸術センター(SPAC)芸術総監督。
1959年、東京生まれ。90年、劇団「ク・ナウカ」を結成。日本の伝統演劇の様式とヨーロッパのテクストを融合させた演出には定評がある。 2004年、第3回朝日舞台芸術賞受賞。2005年、第2回アサヒビール芸術賞受賞。海外公演も頻繁に行っており、06年10月にはパリのケ・ブランリー国立博物館クロード・レヴィストロース劇場のこけら落としとして『マハーバーラタ』を上演。代表作に『王女メデイア』(エウリピデス)など。07年4月より静岡県舞台芸術センター芸術総監督を務める。SPACでは07年11月に木下順二『巨匠』、08年5月に泉鏡花『夜叉ヶ池』、11月にシェイクスピア『ハムレット』、 09年6月に唐十郎『ふたりの女』、10年3月にイプセン『ペール・ギュント』を上演。
自作の上演と並行して、国際舞台芸術祭「Shizuoka春の芸術祭」では世界各地から現代の世界を鋭く切り取った作品を次々と招聘し、また「シアター・スクール」や「小さいおとなと大きなこどものための夏休みシアター」「中高生鑑賞事業」など静岡の青少年に向けた新たな事業を展開、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。