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南十字☆路

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演出・振付:ユディ・タジュディン
装置デザイン:メッラ・ジャールスマ
音楽:リスキー・サマービー・アンド・ザ・ハニーシーフ
照明デザイン:イグナティウス・スジアルト
出演:テアトル・ガラシ
6月25日(金)、27日(日) 19時30分開演
静岡芸術劇場内カフェ「シンデレラ」
上演時間:60分 インドネシア語上演・日本語字幕

作品について

規格外の上演でおくる、とことん狂った一夜!
東南アジアの喧騒がカフェ「シンデレラ」を支配する!

インドネシアの先端的パフォーマンス・グループ「テアトル・ガラシ」。その本拠地ジョグジャカルタの街が静岡芸術劇場内カフェ・シンデレラに現れます。一見パーティのようにはじまるこのパフォーマンスに、参加者は戸惑うかもしれません。会場のあちこちにパフォーマーが点在し、猥雑な空気が漂うなか、私たちは、何がはじまるの!?と期待と不安を抱くでしょう。やがていつの間にかステージができ、パフォーマーが踊り出て、観客は未知の領域へ連れさられ…
すっかりこの魅惑的な一夜に没頭してしまうことでしょう。街のあちこちで今日も人と人が衝突し、争う…
そんな人間臭い街の気配が、洗練された身体表現で、驚くほどスタイリッシュに、それでいてノイズたっぷりに立ちのぼる!
今宵、狂った街の気配に、震撼すること請け合いです!

解説

原題の“Je.ja.l.an”は「混雑した道」を意味する造語です。この作品は大都会で展開する日々の暮らしについての舞踊劇です。現代性と伝統、コスモポリタンと閉鎖的な人々、エリートと平凡な生活者、勝ち組と負け組、などなど東南アジアの大都会にうずまく衝突や論争が、この作品を通して浮き彫りになります。
この作品は、俳優達が実際に街に出て、人々の毎日の生活を直接観察・調査して創作されました。振付家も兼ねる演出家のユディ・タジュディンは、現代社会におけるその生き方の複雑さを表現するために、日々の暮らしを、多くの語りと同時に展開する動き、重なり合う場面や、時にアンバランスで滑稽な描写からなる一つの舞台作品に仕上げました。

コラム
心の原風景、インドネシアの大地
おおたか静流

1992年に発表したCDアルバム「Repeat performance」で『ブンガワン・ソロ』を歌った時が、私とインドネシアとの出会いだった。古い流行歌を再生するというコンセプトで、何百もの歌の中から選んだのが、この歌だった。
1994年、「Tokyo Gracious Beat」というイベントでジャカルタに招かれ、現地語で『ブンガワン・ソロ』を歌った時は、熱いものがこみあげた。ひとつの歌で、異国の心と心が通う不思議。同じ時期にバリにも渡る。そこではガムランとケチャに出会い、”地上で最後の楽園”という感覚を肌に刻んだ。
日本国内でも、ガムランを堪能している。皆川厚一さんとのセッションはいつも感動的だ。繊細且つアグレッシブ、粘着質でとろける様な音の連打に、知らず時間を忘れる。きっと彼の体の中には、インドネシアの時間が流れているのだ。私はその時間の川に身をゆだねればよい。
以前手がけた映画「鉄塔武蔵野線」の主題歌は、インドネシアの田園風景と重ね合わせた『Saja Dream / サヤドリーム』だ。迷子になって途方にくれた、草の匂いと夕焼けの中・・・・何かにすがるように走りに走った川べり・・・・不思議なほど、私の原風景である武蔵野は何故かインドネシアなのだ。
”南十字☆路”では、その原風景の<現在>がどう表現されているのだろう。
数日前、皆川厚一さんから彼のアルバムが届いた。現地録音だという。どんな凄いガムランとケチャだろう・・・・と思いきや、聞こえてきたのは、波の音と蛙の合唱と笛の音・・・・・唖然とし、言葉をなくし、やがて涙が止まらなくなった。故郷は自分の大地の言葉で話しかけてきた。

おおたか静流(おおたか・しずる)

ミュジシャン・ヴォイスアーティスト。
7歳よりクラシック音楽を習う。オリジナルアルバムを21枚リリース、数百曲に及ぶTVCMでの歌唱や映像、絵画、朗読、ダンスとのコラボレーション等、ジャンルや国境を越えた音楽活動を展開。即興のワークショップ「声のお絵描き」を主宰。NHK教育TV「にほんごであそぼ」の音楽と歌唱を担当。

←左のアイコンをクリックすると、SPAC発行のパンフレット「劇場文化」掲載のエッセイをお読みいただけます。

インドネシア、埒外の近代都市
中村潔

「雑踏」をめぐって――テアトル・ガラシと21世紀東南アジアの想像力
武藤大祐

協賛 ガルーダ・インドネシア航空会社、BNI 46
後援 インドネシア大使館

ユディ・タジュディン

演出家。
インドネシア屈指の実験的劇団テアトル・ガラシの創立者の一人で芸術監督。1993年に創設されて以来、テアトル・ガラシのほとんどの作品を演出。2000年、10月〜12月には、国際交流基金の企画で、アジア舞台芸術家交流・研修事業として、坂手洋二氏演出の日本インドネシア共同制作現代演劇「南洋くじら部隊」に参加した。2006年、テアトル・ガラシとク・ナウカシアターカンパニーとの共同制作作品『ムネモシュネの贈りもの』を演出。同じ年に、インドネシアの著名な詩人グナワン・モハマドによって書かれた台本をもとに、インドネシアを代表する現代音楽家トニー・プラボウによって作曲されたオペラ『王様の魔女』を演出した。

テアトル・ガラシ

テアトル・ガラシは1993年に設立され、インドネシアのジョグジャカルタ市を拠点とした様々な分野のアーティストの共同体で、実験的な現代演劇の創造の場である。設立当初より、テアトル・ガラシはインドネシアの演劇界において最先端にあり、既存の舞台芸術の伝統的な様式をはじめ、その伝統的な様式と現代的な感性、手法や描写表現との融合を探ることにより、斬新で純粋な真の舞台芸術を発展させるという理念をもとに活動し、その精力的な取り組みは広く知られている。近年、2004年のシンガポール公演、2005年のベルリン公演、東京公演等、国際的に活動の幅を広げている。